身体計測

検査項目概要
身長・体重身長と体重を測定し、やせ過ぎ、太り過ぎを調べます。
標準体重は(身長m)×(身長m)×22で算出されます。
肥満度(体重kg-標準体重kg)÷(標準体重kg)×100で算出されます。
±10%: 正常 / 20%以上: 太り過ぎ / -20%以下: やせ過ぎ
体脂肪率脂肪が体重の何%を占めているかを測定します。

一見やせていて体重は標準体重範囲内であっても、体脂肪率は標準よりも高い「かくれ肥満」が近年増加傾向にあります。

BMIBMI(体格指数)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

BMI22 前後の人の死亡率が最も低いことが、統計的に明らかにされています。肥満は生活習慣病の危険因子のひとつです。特別な症状がなく、他の検査データに異常がない場合でも標準体重に近づけるよう努力しましょう。

腹囲おへその高さで水平に計測した値です(お腹が膨れている方は肋骨の一番下と骨盤の一番上の中間あたりを計測)。

男性 85cm 以上、女性 90cm 以上は内臓脂肪面積 100㎠ 以上に相当しメタボリックシンドロームになる危険性が高いので要注意です。

体組成測定

検査項目概要
脂肪量からだの脂肪分だけの重さを表したものです。
除脂肪量体重から脂肪の重さを除いた、脂肪以外の成分(筋肉、水分、骨など)の重さです。
筋肉量骨格筋、平滑筋(内臓など)と体水分量を含んだ値です。
体水分量からだの水分量のことで血液やリンパ液、細胞間液、細胞内液などからなります。
推定骨量骨全体に含まれる骨塩量(一定量の骨の中に含まれる Ca や P などのミネラル分の量を示す指標)を意味します。

聴力

検査項目概要
聴力周波数の高い音(4000Hz)と低い音(1000Hz)がどの程度の強さから聞こえるかを調べます。数値が大きくなるほど難聴の度合いが強いことを表します。

眼科検査

検査項目概要
視力ものを識別する能力を調べます。裸眼視力で 0.7 以上なら日常生活に支障ありません。
眼圧目に空気を吹きつけて眼球の固さを測定し、眼球内圧の変化を調べます。眼圧が高いと緑内障を疑います。
眼底目の中を強い光で撮影します。その際一番奥の血管が見える部分を眼底といいます。眼底の血管は、脳の血管とよく似た変化をするため、高血圧や動脈硬化といった全身の血管の状態について評価することができます。
Scheie分類
Hが高血圧性の変化、Sが動脈硬化性の変化を示し、HとSのいずれも0~4で分類されます。数字が大きいほど高血圧性変化や動脈硬化性変化が進行してきていることを意味します。

肺機能

検査項目概要
肺活量空気をいっぱい吸い込み、勢いよく吐き出した時の空気量を調べます。
%肺活量予測肺活量(年齢・性別・身長から算出)に対して、実測肺活量の比率を調べます。
1秒量最大限まで息を吸い込んでから一気に吐き出すとき、最初の1秒間に吐き出した空気量を調べます。
%1秒量年齢・性別・身長から算出した基準値に対する比率を調べます。
1秒率最大限まで息を吸い込んでから一気に吐き出すとき、最初の1秒間に何%の息を吐きだせるかを調べます。

糖代謝

検査項目概要
空腹時血糖体のエネルギー源となるものがブドウ糖です。そのブドウ糖の血液中の量を測定し、糖尿病かどうかを判断します。
ヘモグロビン A1c血糖値は食事の影響を受けやすいため糖尿病がなくても食後に高値を示しますが、グリコヘモグロビンA1c は過去 1~2 ヶ月の平均血糖状態を表します。また、検査直前の食事の影響を受けません。高値であれば普段の血糖値が高いことを示します。
尿糖血糖値が 160~180mg/dl 以上になると尿中に糖が出てくるため、糖尿病のスクリーニング検査に用いられます。腎機能が低下している場合にも尿中に出てくることがあります。
インスリン値インスリンは、血液中のブドウ糖の量を調節するホルモンで、膵臓から分泌されます。このインスリンが不足すると血糖値が上昇し、高血糖の状態になり、やがて糖尿病に至ります。血糖値などの検査とあわせて、高血糖を引き起こす病気、低血糖の状態を推定するのに用いられます。 インスリン値が低い場合は、糖尿病、急性膵炎(すいえん)、慢性膵炎、副腎(ふくじん)機能不全などが疑われます。インスリン値が高い場合は、クッシング症候群、肝硬変、インスリノーマ、異常インスリン血症、インスリン自己免疫疾患などが疑われます。
負荷時血糖
(ブドウ糖負荷試験)
75g のブドウ糖が入ったジュースを飲んで飲用 60 分後と 120 分後に採血を行い、血糖値の変化をみます。空腹時の血糖だけでは診断できないような、境界型の糖尿病がないか調べます。

以下に該当する方は負荷時血糖(ブドウ糖負荷試験)を受けられません。
・血糖値を下げる薬を飲んでいる(糖尿病治療以外の目的で内服している場合も含む)
・胃、十二指腸、小腸の切除をしたことがある(粘膜の一部を切除した場合や大腸の切除は含まない)
・過去に負荷時血糖(ブドウ糖負荷試験)で気分が悪くなったことがある

脂質代謝

検査項目概要
総コレステロール血液中のコレステロールが多くなると余ったコレステロールが血管壁に付着し、動脈硬化を引き起こしやすくなり、高血圧や心筋梗塞などの原因になることがあります。しかし、コレステロールは細胞をつくる成分として大切な役割も果たしているため、少なすぎても注意が必要です。
HDL コレステロール血管壁に付いた余分なコレステロールを肝臓に運び、血管の内壁をきれいにする働きがあります。そこで、動脈硬化を予防する働きがあるため「善玉コレステロール」とも呼ばれています。適度な運動やバランスのとれた食事などにより増加し、肥満や喫煙により低下します。
LDL コレステロール総コレステロールと同様に、動脈硬化性疾患の危険因子です。高値になると虚血性疾患の頻度が増加します。「悪玉コレステロール」と呼ばれています。
non-HDL コレステロールnon-HDL コレステロールは総コレステロールから HDL コレステロールを引いた残りの脂質です。HDL コレステロール以外のすべての脂質は動脈硬化を促進する危険因子であり、動脈硬化のリスクを総合的に管理できる指標です。
中性脂肪中性脂肪は体のエネルギー源ですが、多すぎると HDL コレステロールを減少させ、LDL コレステロールを血管壁に付着しやすくして動脈硬化を進めるといわれています。1 日のうち総コレステロール値はほとんど変化しないのに対し、中性脂肪値は食後に著しく上昇するなど、食事や飲酒の影響を受けやすく、不摂生から高くなる場合もあります。

尿酸代謝

検査項目概要
尿酸体内の細胞は、毎日新しく作られる一方で古いものから壊れていきます。細胞の代謝によって生じた「燃えカス」が尿酸です。尿酸値が上昇すると痛風になります。足の親指の付け根やひざの関節に炎症をおこしたり、激しい痛みを伴ったりします。このほか、腎臓に付着して炎症をおこすと結石の原因にもなります。

肝機能

検査項目概要
AST(GOT)/ALT(GPT)肝臓の組織が破壊されると血液中に増加します。肝炎、脂肪肝、アルコール性肝障害などで高くなります。また、飲酒後や激しい運動後、肥満などでも高くなることがあります。なお、AST(GOT)は心臓や骨格筋の障害でも異常値を示す場合があります。
LDH体内のいろいろな臓器に異常があると高値を示します。そのため、この数値の異常のみではどの臓器の異常か判断できません。他の所見とあわせて判断されます。また、運動によっても高値を示すことがあります。
ALPほとんどの臓器に含まれる酵素ですが、肝臓や胆道、骨に異常があると高くなります。特に胆道がつまると、胆汁が排泄されなくなるため胆汁内の ALP が血液中に流れこんで高値を示します。
γ-GTP腎臓、肝臓、膵臓に含まれている酵素です。腎臓や膵臓の障害ではあまり高値にはなりませんが、肝臓や胆道の疾患で高くなります。アルコールに敏感な酵素のため、アルコール性肝障害では著しく上昇することが多く、アルコールを多く常飲していると他の肝機能検査がすべて正常であってもしばしば異常値になります。
コリンエステラーゼ肝臓、膵臓に多く含まれる酵素です。この酵素は肝臓で作られているので、肝臓に障害がおこると作られる量が減り、低値になります。ただし、肝臓の疾患の中で脂肪肝では高値になることが多いです。
総ビリルビン主に老化赤血球や破壊された赤血球に含まれるヘモグロビンが分解されて作られます。通常は胆汁の成分として肝臓から十二指腸へ送られた後、便とともに排泄されます。ところが、肝臓や胆道の疾患などにより胆汁が十二指腸に出ることができなくなると、行き場のなくなったビリルビンが血液中に増加してきます。
総蛋白/アルブミン総蛋白は血液中に含まれるいろいろなタンパクの総称で、そのうち約 60%がアルブミンです。アルブミンは肝臓で作られるため、栄養障害や肝臓に強い障害があると作られる量が減り、総蛋白やアルブミン値が低くなります。
A/G 比血液中に含まれるタンパクはアルブミン(A)とグロブリン(G)に大きく分けられ、この比率をあらわした値がA/G 比です。肝臓の障害や感染症があると A/G 比が下がります。
HBs 抗原HBs 抗原が陽性の場合、現在B型肝炎ウイルスに感染していることを示します。この状態をウィルスキャリアといいます。また、B 型肝炎ウイルスを持ち続けている場合、現在感染力が高いかどうかの詳しい検査が必要となります。
HBs抗体HBs抗体が陽性の場合、過去にB型肝炎ウイルスに感染したことがあることを示します。現在は免疫が出来ているので感染しにくい状態であることを意味します。
HCV抗体C型肝炎ウイルスに対する抗体の有無を調べる検査です。抗体の値が高い場合、現在ウイルスに感染していることを示し、専門医へ相談が必要です。値が低い場合、ウイルスに感染したことはあるが、ウイルスが現在存在する可能性が極めて低いことを示します。

膵機能

検査項目概要
血清アミラーゼ主に膵臓と唾液腺から分泌されます。血清アミラーゼが上昇する場合は急性膵炎や耳下腺炎のほか、膵臓病などの可能性があります。また、低下する場合は、慢性膵炎、膵臓がん、高度な糖尿病などが考えられます。飲酒や服薬でも変動しやすく、また、やせている人の方が太っている人よりも数値が高くなります。
膵型アミラーゼ膵臓から分泌されます。膵臓に特異的であり上昇すると、急性膵炎、慢性膵炎、膵臓がん等を疑います。

血液一般

検査項目概要
白血球数白血球は、体内に細菌や異物が侵入したときにそれを分解する働きをしています。体に有害になる細菌などが体内に侵入した場合と、白血球のがんなどで骨髄での生産が異常に増えた場合に白血球数は増加します。
赤血球数赤血球は体内に酸素を運ぶ働きをしています。減少すると貧血になり、増加すると多血症となります。
ヘモグロビン赤血球に含まれており、肺で取り入れられた酸素を筋肉などの組織に運ぶ働きがあります。ヘモグロビンが作られるには鉄が必要で、この鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血となります。
ヘマトクリット一定の血液の中にどれくらいの割合で赤血球が含まれているか表します。赤血球が減少すると、ヘモグロビンが減少し、ヘマトクリットの値も下がります。この 3 つは密接に関係して増えたり減ったりします。これらのデータをもとにして貧血の種類をおおよそ診断できます。
MCV
(平均赤血球容積)
各赤血球の容積の平均値を表し、赤血球の大小がわかります。
MCH
(平均赤血球血色素量)
各赤血球の中に含まれるヘモグロビン量の平均値を表します。
MCHC
(平均赤血球血色素濃度)
一定の血液中の赤血球容積に対するヘモグロビン量の割合を%で表します。
血小板数血小板は、出血したときに血を止める働きをしています。血小板数が減ったりうまく働かなくなると、出血しやすくなったり血が止まらなくなったりします。
血清鉄鉄はヘモグロビンを作るのに必要なものです。血液中に含まれる鉄分を測定し、鉄欠乏性貧血の有無を調べます。
血液像 ・好塩基球体内に細菌や異物が侵入すると血液中の白血球が増加します。その白血球の一種です。アレルギーなどで増加します。
血液像 ・好酸球体内に細菌や異物が侵入すると血液中の白血球が増加します。その白血球の一種です。アレルギーや喘息で増加します。
血液像 ・好中球体内に細菌や異物が侵入すると血液中の白血球が増加します。その白血球の一種です。細菌感染などで増加します。
血液像 ・リンパ球、単球体内に細菌や異物が侵入すると血液中の白血球が増加します。その白血球の一種です。ウイルス感染などで増加します。
血液像 ・異型リンパ球体内に細菌や異物が侵入すると血液中の白血球が増加します。その白血球の一種です。ウイルス感染などでも認められます。

血清・炎症反応

検査項目概要
CRPC反応性蛋白といわれ、体内に急性の炎症や感染、組織の損傷などがあるときに血液中に増加します。
リウマチ因子(RF)慢性関節リウマチの人の約80%にこのリウマチ因子の上昇が認められます。慢性関節リウマチとは、自分に対して免疫反応が働き、攻撃を加えてしまう膠原病の一つです。慢性関節リウマチのほかに肝臓疾患、結核、自己免疫疾患、ウイルス感染などでも上昇することがあります。

ホルモン検査

検査項目概要
アディポネクチン脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカイン (生理活性物質) の 1 つで、動脈硬化を抑制する作用や高血圧を防ぐ作用があります。また、インスリン抵抗性を改善する作用もあります。肥満度が高い場合には、分泌が低下し、動脈硬化が進んでしまいます。

腫瘍マーカー

検査項目概要
CEAある程度進行した大腸がん、胃がん、膵がん、肺がんなどで高値を示します。また、肺炎、肝疾患、胆道結石、腎不全、甲状腺機能低下症、ヘビースモーカーの人でも上昇することがあります。
前立腺特異抗原(PSA)前立腺組織にのみ存在して、前立腺炎、前立腺肥大症、前立腺がんなどで高値になります。軽度上昇の場合は前立腺肥大症、急性前立腺炎などを疑います。

腎機能・電解質

検査項目概要
尿素窒素腎臓の機能が正常かどうかを知る指標となります。腎臓は体の老廃物を排泄したり、必要な物質を再吸収して体をいつも良い状態に保つ働きをしています。 尿素窒素は、タンパク質が使われたあとに出た「燃えカス」で、腎臓を通して尿から排泄されます。しかし、腎臓に何らかの障害があると排泄がうまくできないため、血液中にたまって高値となります。タンパク質の多い食事の後にも上昇します。
クレアチニン筋肉運動のエネルギー源として重要な役割を果たしているクレアチンが分解されてできた老廃物で、腎臓を通って尿から排泄されます。腎臓の機能が低下すると排泄がうまくできず、血液中にたまり高値となります。
ナトリウム/クロール大部分は細胞外液に存在するイオンで、体の水分を調整する働きをしています。体の水分量の平衡状態をみる指標になります。
カリウム大部分は細胞内液に存在するイオンで、体の水分を調整する働きをしています。その他、神経の伝達、筋肉の働き、特に心筋の活動などに重要な役割を持っています。また、低すぎても高すぎても不整脈発作を起こす危険性があります。
カルシウム/無機リン主に歯や骨の形成、神経の伝達、血液の凝固などに関係した働きがあります。ナトリウム、クロール、カリウムなどのほかの電解質とあわせて総合的に評価して、体液内のバランスのくずれがないか診断します。
eGFR(推算糸球体濾過量)腎臓がどれくらい老廃物を尿に排泄する能力があるかがわかります。この値が低いほど、腎臓の働きが悪いということになります。

尿検査

検査項目概要
尿蛋白血液中に含まれるタンパク質が尿中に出てきたもので、これが陽性の場合は腎臓、尿管などの障害が疑われます。激しい運動後やストレス、生理中や糖尿病などでも陽性になる場合があります。
尿潜血腎臓や尿管、膀胱など、尿の通り道に異常があると尿中に血液が混じることがあります。生理中や激しい運動の後は陽性になる場合があります。
ウロビリノーゲン肝臓や胆道系に異常があると尿中にウロビリノーゲンが排泄されます。便秘や激しい運動の後にも尿ウロビリノーゲンが増加することがあります。
尿クレアチニン血清クレアチンが高値を示すと、クレアチンの生合成が抑えられ、血中増量は少なくなり尿中排泄量が著明に増加します。したがって、筋疾患の診断には尿中クレアチンの増加を見る方が適切とも言われます。
尿 pH尿が酸性尿かアルカリ尿かを調べることで、生体の酸塩基平衡の状態をおおまかに知ることができ、健常者の尿は、ほとんどが酸性です。採尿後長く放置した尿では、尿中の細菌が尿素をアンモニアに分解し、pH はアルカリ性に傾きます。
尿比重尿には余分な水分のほかに、体内活動の結果として含まれる老廃物(尿素や窒素、ナトリウム、クロールなど)が含まれています。正常の場合、水をあまり飲まなければ尿比重が上昇しますが、腎臓の働きに異常があるとそれができません。尿比重の検査はそれをみるものです。
尿沈渣 ・赤血球肉眼では見えない様々な細胞や細菌が含まれていないか顕微鏡で調べたものが尿沈渣です。赤血球が多い場合結石、急性膀胱炎、膀胱がん、腎臓がんなどの可能性があります。
尿沈渣 ・白血球肉眼では見えない様々な細胞や細菌が含まれていないか顕微鏡で調べたものが尿沈渣です。白血球が多い場合腎臓や尿路などの炎症(腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎など)の可能性があります。
尿沈渣 ・上皮細胞肉眼では見えない様々な細胞や細菌が含まれていないか顕微鏡で調べたものが尿沈渣です。上皮細胞がみられる場合尿路の炎症の可能性があります。
尿沈渣 ・円柱肉眼では見えない様々な細胞や細菌が含まれていないか顕微鏡で調べたものが尿沈渣です。円柱がみられる場合腎炎、ネフローゼ症候群などの可能性があります。
尿沈渣 ・異型細胞肉眼では見えない様々な細胞や細菌が含まれていないか顕微鏡で調べたものが尿沈渣です。異型細胞がみられる場合炎症、膀胱がんなどの可能性があります。

胸部検査

検査項目概要
胸部レントゲン胸のレントゲン撮影で骨格、筋肉、肺、心臓、気管支などの状態をみます。肺気腫、肺がん、結核、肺炎などがわかります。
肺CT検査肺の断層写真を撮影し、胸部レントゲン写真では見つからないような早期の肺がんを発見することができます。そのほかに肺気腫、結核、肺炎などがわかります。肺以外にも心臓や甲状腺、腹部臓器の一部も観察できます。

腹部検査

検査項目概要
腹部超音波超音波を用いて腹部の臓器を詳しく調べる検査です。肝臓・腎臓・膵臓・胆嚢・胆管・脾臓・腹部大動脈を観察しています。
内蔵脂肪量測定おへそ周りを撮影して、内臓脂肪と皮下脂肪を計測します。
内臓脂肪蓄積型肥満 BMIが 25 以上かつ内臓脂肪面積が 100 ㎠以上
皮下脂肪蓄積型肥満 BMIが 25 以上かつ内臓脂肪面積が 100 ㎠以下

上部消化管検査

検査項目概要
上部消化管造影(胃透視)バリウムと発泡剤を飲んで、胃粘膜の状態を X 線を使って撮影します。胃全体の形を見たり、胃の壁を這うように広がるがんや食道、胃の通りの良さをみるのには優れています。
上部消化管内視鏡(胃カメラ)口からカメラを挿入し食道や胃・十二指腸の内部を直接観察します。消化管内部の色調やつやなど微妙な変化もわかり、5mm 程度の小さな病変も発見することができます。また、見ただけでは判断できない場合は、病変部の組織を取って調べること(生検)もあります。
生検分類(組織検査結果)
Group 1 : 正常です。
Group 2 : 正常範囲内ですが、念のために経過観察が必要です。
Group 3 : 良性と悪性の境界領域の病変です。
Group 4 : がんが強く疑われ、精密検査あるいは治療が必要です。
Group 5 : がんが認められます。治療が必要です。
胃がんリスク検査ピロリ菌(Helicobacter pylori)の感染および血清ペプシノーゲン検査陽性が、胃がんの発生に深く関わっていることが分かってきました。ピロリ菌抗体と血清ペプシノゲンを同時に測定することで胃の健康度を調べることができます。
ピロリ菌抗体
ピロリ菌に感染するとピロリ菌が出す毒素などによって胃に炎症がおこり、その状態が長く続くと萎縮性胃炎に進行します。萎縮性胃炎がさらに進行すると胃潰瘍になることがあります。胃潰瘍はピロリ菌を除菌すれば再発が防げるといわれています。また近年、ピロリ菌の胃がん発生との関連も注目されています。
ペプシノーゲン
胃粘膜の老化(萎縮)の状態を客観的に調べる検査です。慢性胃炎患者では胃の萎縮が進むほど胃がんが発生しやすいと言われています。

下部消化管検査

検査項目概要
便潜血胃や大腸などの消化管から出血すると便に血が混じります。肉眼ではわからない微量の血液も判定します。痔や生理、鼻血などの出血でも陽性になるため、陽性の場合は消化管からの出血かどうかを判断する目的で、全大腸内視鏡検査や注腸透視検査などの精密検査をお勧めします。また、今回便潜血検査が陰性であっても、便に血が混じる・肛門から出血したことがあるといった症状がある場合は早めの精密検査をお勧めします。
下部消化管内視鏡(大腸カメラ)肛門からカメラを挿入し、空気を送ってふくらませながら腸の粘膜を直接観察します。ポリープや大腸がんができやすい肛門から S 状結腸までを見る検査と、さらに奥の盲腸までを見る検査とがあります。また、目で見ただけでは判断できない場合は、病変部の組織を取って調べること(生検)もあります。
生検分類(組織検査結果)
Group 1 : 正常です。
Group 2 : 異常な細胞が認められますが、炎症に伴うもので正常範囲内です。
Group 3 : 腫瘍性の変化が認められますが、良性の範囲内です。
Group 4 : がんが強く疑われ、精密検査あるいは治療が必要です。
Group 5 : がんが認められます。治療が必要です。
大腸 CT肛門にチューブを挿入し、炭酸ガスを送って大腸を膨らませながら CT を撮影します。CT 画像を処理して、仮想的に内視鏡の画像を作成して、大腸内部を観察します。また、大腸以外の腹部臓器も観察することができます。

脳・頸部検査

検査項目概要
頭部 MRI・MRA脳の断層写真を撮ります。脳梗塞・脳出血・脳腫瘍などの有無がわかります。また、脳血管の走行や狭窄・動脈瘤の有無も診断できます。放射線の被ばくや造影剤の使用はありません。
頸部超音波超音波を使って脳につながる頚部の血管(頚動脈)を見る検査です。血管の壁の厚さを測り、動脈硬化や脳梗塞につながるような異常がないかをみていきます。また脳に流れる血液の速度を測って評価していきます。
内中膜厚:頚動脈血管壁内腔側の表層を構成する内膜と中膜を合わせた厚みのことです。動脈硬化の進展に伴って肥厚するため、動脈硬化のスクリーニングや生活習慣病における治療効果の指標とされています。
認知機能検査これまで難しいとされていた微細な認知機能の変化を約 10 分の対話式チェックで簡易に高い精度で確認することができる認知機能確認スケールです。評価者の主観にとらわれずに認知機能の変化を客観的に観察することができます。認知症かどうかを確認するための検査ではありません。

循環器検査

検査項目概要
血圧心臓のポンプ作用によって血液が送り出されるときに、血管にかかる圧力を血圧といいます。血圧が高い状態(高血圧)が続くと心臓病や脳卒中などの危険性が高くなります。
安静時心電図安静時の心臓の筋肉が動くときに発生する電気的変化から、心臓の異常を調べます。心臓の筋肉の異常、不整脈(リズムの乱れ)、心臓肥大などがわかります。
負荷心電図運動により心臓に一定以上の負荷を加えた時の心電図を記録し、ST変化やリズム異常から、安静時に発見されにくい狭心症や不整脈などの有無を調べます。所見に応じて対応は経過観察から精密検査まで様々です。
冠動脈CT心臓を心電同期で撮影し、冠動脈にあるカルシウムの総量を数値(石灰化スコア)で表します。石灰化スコアが 400 を超えれば、動脈硬化のリスクが高いとされています。
冠動脈MRI冠動脈の走行異常や狭窄が無いかを調べる検査です。主に心筋梗塞のリスクの度合いを評価します。放射線の被ばくや造影剤の使用はありません。
心臓超音波超音波を使って心臓のかたちと動きをみる検査です。心臓の壁の厚さや、心室・心房の大きさ、心臓にある弁(大動脈弁・僧帽弁・三尖弁)の機能が正常に働いているか評価していきます。また、心筋梗塞や狭心症など心臓の動きに異常がないか評価していきます。
BNP心臓に負担がかかると心臓から血液中に分泌されるホルモンです。心電図などとは違って、心機能の状態を数値で表すことのできる検査です。主に心不全で高くなりますが、高血圧、糖尿病、腎不全などでも高くなることがあります。
四肢血圧
ABI (足関節上腕血圧比:Ankle Brechial Pressure Index)
両足首と両腕の血圧を測定し、その比率(足首収縮期血圧÷上腕収縮期血圧)を計算します。動脈硬化の進行程度や、血管の狭窄・閉塞などが推定できます。両腕と両足首の血圧を測定し動脈硬化が進んでいない場合、仰向けになった状態で四肢の血圧を測定すると、上腕より足首の方がやや高い値になります。もし、動脈に狭窄や閉塞があると上腕より足首の血圧が低下します。このような狭窄や閉塞は下肢の大動脈に発生しやすいため、下肢の血圧と上肢の血圧との比をとることで狭窄や閉塞の程度を表すことができます。
PWV(脈波伝播速度:Pulse Wave Velocity)
心臓からの拍動が伝わる速度から、血管の硬さをみる検査です。 心臓からの拍動は,動脈の壁や血液を伝わって手足の末梢まで届きます。血管に弾性があると脈波は血管壁で吸収され脈波速度は遅くなります。しかし、動脈硬化が進むと血管は弾性がなくなるため脈波は吸収されず脈波速度は速くなります。

乳房検査

検査項目概要
マンモグラフィ乳房専用の X 線撮影のことで、 乳房を板で圧迫し、伸ばして撮影します。 触ってもわからないような微細な石灰化病変を調べることができます。
乳腺超音波超音波を使って乳腺をみる検査です。乳腺の状態や腫瘤の有無を調べます。

婦人科検査

検査項目概要
婦人科内診片方の手の指を腟の中に入れ、もう片方の手でお腹の上を押さえて子宮の大きさ、動きや卵巣の腫れなどを確認します。
子宮頚部細胞診子宮頚部の細胞を綿棒やブラシで擦り取って顕微鏡で観察します。子宮頚がんは 20~40 代に多くなっています。
細胞診結果の見方について
経膣超音波超音波検査のプローブを腟内へ挿入し、子宮や卵巣・卵管に異常がないかを調べる検査です。膣入口部が狭く経腟的に観察できないときは、経直腸的に検査を行うこともあります。

甲状腺検査

検査項目概要
甲状腺超音波超音波を用いて甲状腺の大きさやしこりの有無などを確認する検査です。
TSH(甲状腺刺激ホルモン)甲状腺に働きかけ甲状腺ホルモン分泌を促すホルモンで、脳下垂体から分泌されます。甲状腺機能低下症で高値となり、甲状腺機能亢進症で低値となります。
FT3(遊離トリヨードサイロニン)・FT4(遊離サイロキシン)甲状腺から分泌されるホルモンの一種です。バセドウ病をはじめとする甲状腺機能亢進症で高値となり、甲状腺機能低下症(橋本病など)で低値となります。

PET/CT検査

検査項目概要
PET/CT放射性薬品を人体に投与して、薬品から出る放射線を外部から検出し画像化します。がん細胞は正常細胞よりブドウ糖を取り込むという性質を利用します。PET/CT 検査は、小さながんやリンパ節転移などの診断に優れています。

骨密度検査

検査項目概要
骨密度検査骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかを測定します。骨密度は若い人の骨密度の平均値と比べて自分の骨密度が何%であるかで表されます。正常値は 80%以上です。